水産M&A総合センターについて
水産M&A総合センターとは
漁業、養殖、水産加工、卸売・仲卸、小売、冷蔵・物流、飲食。海から食卓までを支える事業の技術、雇用、取引関係、地域とのつながりを、次の担い手へ引き継ぐための相談窓口です。
私たちの目的
水産業の価値を、数字と現場の両面から次代へつなぐ
日本の水産業は、漁業や養殖だけで成り立っているわけではありません。水揚げされた魚介類が食卓に届くまでには、水産加工、産地市場、卸売・仲卸、小売、冷蔵・冷凍、運送、飲食、機械・資材、種苗・飼料など、多くの事業者が関わっています。一社の廃業が、地域の雇用だけでなく、仕入先、販売先、物流網、食文化に影響することもあります。
それぞれの会社や事業には、決算書だけでは表し切れない価値があります。魚種や漁場に関する知識、魚を見る目、加工技術、温度管理、仕入先との関係、販売先からの信用、地域での役割、従業員の経験、衛生管理の積み重ねなどです。長い時間をかけて形成されたこれらの経営資源は、設備のように目で見て数えられなくても、事業継続に欠かせません。
一方で、後継者が見つからない、経営者の年齢や健康を考えると将来が不安、設備更新の負担が大きい、人材採用が難しい、原料価格や燃油・電力価格の変動に対応しにくいといった理由から、今後の経営を考え始める方も少なくありません。考えなければならないことが多いからこそ、売却するか否かを急いで決める前に、現状と希望を整理する時間が必要です。
水産M&A総合センターは、水産業に携わる経営者が、会社売却や第三者承継を含む選択肢を落ち着いて検討するための相談窓口です。私たちが目指すのは、M&Aを急いで成立させることではありません。親族内承継、従業員承継、他社との資本・業務提携、一部事業の譲渡、会社全体の譲渡、計画的な廃業などを比較し、経営者、株主、従業員、取引先、地域にとって納得できる方法を考えることです。
専門支援が必要な理由
水産業のM&Aには、現場固有の確認が必要です
一般的な財務・法務の確認に加え、操業、生産、加工、衛生、流通、地域との関係まで見なければ、引き継ぐ事業の実像はつかめません。
許認可と地域関係
漁業権、漁業許可、漁協の組合員資格や行使規則、食品営業許可、市場関係の資格、倉庫業・運送事業の手続など、事業継続の前提を確認します。
生産と設備の実態
漁船、漁具、養殖施設、加工ライン、冷凍機、冷蔵庫、車両の状態と、修繕履歴、更新投資、操業・生産能力を切り分けて考えます。
人と取引の継続性
熟練者の技術、原料調達、販売先との規格、信用、季節変動、地域内の役割など、帳簿だけでは見えない継続条件を整理します。
支援の対象
海から食卓まで、水産バリューチェーン全体が対象です
漁業
沿岸、沖合、遠洋、定置網、まき網、底びき網、釣り、はえ縄、刺網、採貝・採藻など。船舶、乗組員、漁業許可、漁場、水揚港、資源管理を確認します。
養殖
海面、内水面、陸上養殖。魚種、養殖場、種苗、飼料、生残率、疾病、赤潮・高水温、出荷サイクル、生物在庫の評価を整理します。
水産加工
鮮魚加工、冷凍、塩干、練り製品、缶詰、珍味、総菜、OEM等。原料、歩留まり、設備、衛生管理、表示、商品規格を確認します。
卸売・仲卸
産地市場、消費地市場、買受人を含みます。市場内の資格や規程、仕入・販売先、与信、決済、保証金、相場変動への対応を確認します。
小売・飲食
鮮魚店、通信販売、寿司、海鮮料理、居酒屋、給食等。立地、屋号、仕入れ、レシピ、営業許可、従業員、顧客情報を整理します。
冷蔵・物流・周辺産業
冷蔵・冷凍倉庫、保管、運送、製氷、漁船修理、漁具、養殖資材、種苗、飼料、機械設備、輸出入、産地商社等も相談対象になり得ます。
優先事項から考える
最初に考えるのは「売るか」ではなく「何を守りたいか」
会社売却を考える理由は経営者によって異なります。「従業員の雇用を残したい」「屋号や商品を残したい」「漁船や加工場を活用してほしい」「取引先への供給を止めたくない」「家族に借入や保証の負担を残したくない」「一定期間は経営に関わりたい」といった希望が重なることもあります。
すべての希望を同時に完全に実現できるとは限りません。譲渡価格、雇用、地域性、ブランド、引退時期のどれを優先するかで、候補先や契約条件は変わります。「譲れない条件」「できれば実現したい条件」「交渉できる条件」を分けておくと、提案を比較しやすくなります。
- 親族内承継、役員・従業員承継の可能性
- 株式譲渡、事業譲渡、会社分割等の比較
- 資本・業務提携や一部事業のみの承継
- 改善を先行する場合と早期承継する場合の違い
- 承継が難しい場合の計画的な廃業
株式譲渡と事業譲渡の違い
株式譲渡では、株主が保有株式を買い手へ譲渡し、会社の所有者が変わります。会社そのものは存続するため、会社名義の資産、債務、雇用契約、取引契約などは原則として会社に残ります。ただし、契約に支配権変更条項がある場合や、許認可上の役員変更、届出、適格性確認が必要な場合があります。法人が同じだから手続は一切不要、と判断することはできません。
事業譲渡では、対象事業、資産、負債、契約などを選んで移します。対象を限定できる一方、資産や契約を個別に移転する手続が必要になることがあります。従業員の労働契約を買い手へ移す場合は、原則として本人の真意による承諾が必要です。
| 主な項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 承継の単位 | 会社の株式を譲渡し、会社の支配権を移す | 選定した事業、資産、負債、契約等を移す |
| 契約 | 契約主体は通常同じ。ただし支配権変更条項等を確認 | 契約上の地位移転に相手方の同意が必要な場合がある |
| 従業員 | 雇用主である会社は通常変わらない | 労働契約の移転には原則として本人の承諾が必要 |
| 許認可 | 名義が同じでも変更届や適格性確認等の可能性 | 承継制度、新規取得、届出等を制度ごとに確認 |
| 債務・リスク | 会社にある債務や潜在的問題も会社に残る | 対象を選べるが、契約と実態に応じた責任確認が必要 |
上表は一般的な比較です。最適な手法は税務だけで決めず、許認可、契約、雇用、債務、株主構成、買い手の希望を含め、弁護士・税理士等の専門家と検討してください。
権利と許認可
漁業権・漁業許可は「設備と一緒に移る」とは限りません
水産業M&Aで特に注意が必要なのが、漁業権と漁業許可です。漁業権は、通常の機械設備や在庫と同じ感覚で自由に売買できるものではありません。免許の主体、漁業権の種類、存続期間、海区漁場計画、適格性、漁協が免許を受けている場合の組合員資格や漁業権行使規則などを確認する必要があります。
漁業権に関する事務は都道府県が処理します。株式譲渡で法人格が変わらない場合であっても、役員・支配関係の変更、免許の適格性、漁協の定款・規約、地域の運用等を確認すべき場合があります。事業譲渡、合併、会社分割、相続でも扱いが同じとは限りません。都道府県の水産担当部署、関係漁協、有資格専門家へ早い段階で確認することが重要です。
許可漁業についても、大臣許可と知事許可、漁業種類、船舶、許可条件、承継原因により手続が異なります。相続、合併、会社分割等に関する地位承継や承継許可の制度が設けられている場合がありますが、通常の事業譲渡に当然に適用されるとは限りません。許可証、申請書類、条件、変更履歴、行政への報告状況を整理し、想定する取引方式で操業を継続できるか確認します。
食品営業許可・届出
水産加工、小売、飲食等では、食品衛生法上の営業許可・届出、食品衛生責任者、施設基準を確認します。2023年の制度改正後、一定の食品営業について事業譲渡による営業者の地位承継が制度上可能となっています。ただし、譲渡対象、施設変更、届出方法、譲渡後の調査等は個別事情によります。管轄保健所への事前確認が必要です。
HACCPに沿った衛生管理
2021年6月1日から、原則として食品等事業者にはHACCPに沿った衛生管理が求められています。M&Aの調査では、衛生管理計画や手順書の有無だけでなく、実施記録、従業員への周知、教育、定期的な見直し、事故・回収対応を確認します。水産業における食品の採取業など制度対象外となる業態もあるため、各事業の工程ごとに適用関係を確かめます。
水産流通適正化制度
アワビ、ナマコ、全長13センチメートル以下のうなぎの稚魚等を扱う事業では、水産流通適正化制度に基づく届出、取引記録、情報伝達等の対象となる可能性があります。採捕、譲渡、加工、輸出入等のどの立場にあるかによって必要な対応が異なるため、対象品目と取引工程を確認します。
業務運営の確認
業種別に、数字の背景を読み解きます
漁業
船舶、漁具、乗組員、漁業許可、漁場、水揚港、魚価、燃油、操業日数、資源管理、天候リスクを確認します。船の帳簿価格だけでなく、修繕履歴、機関・漁労設備、検査、保険、代船計画も重要です。売上が季節や魚種に偏る場合は、複数年度の漁獲量と単価を分けて見ます。
養殖
海面、内水面、陸上で制度と事業リスクが異なります。漁場・養殖場、種苗、飼料、生残率、成長期間、疾病、赤潮、高水温、停電、出荷契約を確認します。成長途中の魚は生物資産であり、数量・サイズ・品質・評価時点をそろえて実態を把握します。
水産加工
原料調達、歩留まり、製造ライン、冷凍・冷蔵設備、衛生管理、商品規格、表示、OEM、輸出対応を確認します。帳簿上の利益が同じでも、特定原料や特定得意先への依存、設備更新の必要額、食品事故の履歴によって承継条件は変わります。
卸売・仲卸
市場開設者との関係、買受人等の資格、保証金、仕入先・得意先、与信、回収条件、相場変動への対応を整理します。経営者個人の信用に依存する取引は、引継ぎ期間や紹介方法を具体的に計画する必要があります。
小売・飲食・通信販売
立地、賃貸借、屋号、仕入れ、レシピ、営業許可、予約・顧客情報、ECや各種媒体のアカウントを確認します。同じ屋号や商品を継続する場合は、商標、表示、品質維持、口コミ対応、仕入れ再現性も検討します。
冷蔵・物流
冷凍機、冷蔵庫、断熱設備、非常用電源、温度監視、車両、フォークリフトについて、所有・リース、年式、修繕履歴、更新計画を確認します。電力、冷媒、法定点検、温度逸脱、荷主契約、倉庫業・運送事業上の手続も重要です。
会社が引き継ぐものは、資産だけではありません
長年取引してきた漁業者や産地との信頼、魚の状態を見極める技術、魚種ごとの処理方法、加工条件、得意先ごとの規格、従業員の経験、ブランド、レシピ、漁船や冷蔵設備の運用ノウハウも事業を継続するための経営資源です。
同時に、設備の老朽化、修繕履歴、借入金、経営者保証、未払残業代、土地・排水の問題、食品事故、クレーム、許認可上の未対応、取引契約の変更条項など、承継時に確認すべき負担やリスクもあります。良い情報だけを提示するのではなく、買い手の判断に必要な情報を適切な時期に開示し、問題があれば対処方法も含めて協議することが、成約後の認識違いを減らします。
ご相談の流れ
ご相談から承継までの基本的な流れ
実際の順序と期間は案件により異なります。許認可や金融機関との調整を早期に始め、重要事項を後回しにしないことが大切です。
初期相談
事業内容、経営者の年齢、後継者候補、株主、借入、許認可、希望時期、守りたい条件を伺います。最初から会社名を広く公開せず、必要最小限の情報で検討を始めます。
承継方法の比較
親族内承継、役員・従業員承継、第三者承継、資本提携、事業の一部譲渡、廃業等を比較します。M&Aが唯一の正解とは限りません。
資料整理と初期分析
決算書、試算表、株主、借入、設備、許認可、主要契約、組織を整理します。魚種・部門別の売上粗利、操業量、歩留まり、在庫、設備状態等も確認します。
譲渡対象と希望条件の整理
会社全体か、一部事業、店舗、工場、漁船等を切り出すかを検討します。希望価格に加え、雇用、屋号、拠点、経営者の引継ぎ、個人保証も整理します。
候補先の探索と確認
同業、隣接業種、地域企業、商社、物流会社、食品会社、新規参入企業等を検討します。資金力だけでなく、水産業への理解、雇用方針、許認可対応力、取得後の計画を確認します。
秘密保持と段階的な情報開示
候補先を絞り、秘密保持契約後に情報を開示します。顧客名、従業員名、個人情報、詳細な漁場情報等を最初から無制限に渡さず、検討段階に応じて管理します。
面談・条件調整・基本合意
経営方針、承継後の運営、従業員、取引先、価格、引継ぎ期間等を協議します。基本合意では予定価格、調査期間、独占交渉等を整理し、法的拘束力の範囲を専門家と確認します。
デューデリジェンス
買い手が財務、税務、法務、労務、事業、許認可、環境、設備等を調査します。問題を隠すのではなく、価格調整、契約条項、是正方法を協議する機会と捉えます。
最終契約・決済
譲渡価格、支払方法、表明保証、補償、前提条件、役員退任、個人保証、引継ぎ等を定めます。弁護士等の確認を受け、内容を理解してから締結します。
関係者への説明と承継後の引継ぎ
従業員、取引先、漁協、金融機関、行政、家主等への説明時期と担当を決めます。成約後も原料調達、品質、雇用、システム、地域関係が安定するまで引継ぎを行います。
事業価値
企業価値・譲渡価格は、一つの計算式では決まりません
会社の価格は、純資産、過去と将来の収益力、同種取引の水準、設備の状態、借入、運転資金、許認可、取引基盤、ブランド、人材、将来の投資負担などを踏まえて検討します。最終的な譲渡価格は、買い手との交渉によって決まります。初期的な算定額は成約価格の保証ではありません。
水産業では、季節、魚種、漁獲量、相場、在庫評価、燃油、飼料、電力等の影響が大きいため、単年度の利益だけで判断すると実態を誤ることがあります。複数年度の数値を確認し、一時的な要因と平常時の収益力を分けて考えます。経営者個人に関係する経費、遊休資産、役員報酬、保険、関連会社取引等を調整する場合も、恣意的にならないよう根拠を残します。
設備の帳簿価格と実際の利用価値も一致するとは限りません。漁船、加工機、冷凍機等の修繕履歴、残存利用期間、更新費用を確認します。承継後に多額の設備投資が必要なら、価格や取引条件へ反映される可能性があります。養殖魚や原料・製品在庫は、数量、品質、評価時点、販売可能性をそろえて評価します。
準備しておきたい資料
- 直近3期程度の決算書・税務申告書
- 最新の試算表、資金繰り表
- 株主名簿、定款、登記事項
- 借入、リース、担保、経営者保証一覧
- 魚種・部門・得意先別の売上と粗利
- 主要仕入先・販売先と契約条件
- 漁船、車両、加工・冷蔵設備一覧
- 不動産登記、賃貸借、使用関係
- 漁業権、漁業許可、営業許可・届出
- 漁協、市場、業界団体との関係資料
- 従業員、雇用契約、就業規則、賃金資料
- 衛生管理計画、HACCP記録、事故履歴
- 在庫、養殖魚等の数量・評価資料
- 商標、レシピ、システム、ECアカウント
- 訴訟、紛争、行政指導、クレーム資料
- 設備の修繕履歴と今後の投資計画
最初からすべてを完璧にそろえる必要はありません。まず資料の所在を確認し、不足を補います。資料整理は査定額を見栄えよくするためではなく、説明の一貫性を高め、調査期間を短縮し、成約後の認識違いを防ぐために行います。
人材と関係性
従業員、取引先、地域への説明を丁寧に設計します
従業員の雇用
水産業では、熟練者の経験とチームワークが品質や収益を支えていることが多く、従業員の承継は重要です。株式譲渡では、雇用主である会社自体は原則として変わりません。一方、事業譲渡で労働契約を買い手へ移す場合、対象従業員の真意による承諾が必要です。会社分割には労働契約承継法に基づく通知や異議申出等の手続があります。
法的手続だけでなく、承継理由、勤務場所、仕事内容、賃金、勤続年数、退職金、社会保険、福利厚生がどうなるかを説明する必要があります。情報管理と従業員保護の双方を考え、弁護士や社会保険労務士等と説明計画を検討します。
取引先・漁協・地域
仕入先や販売先との契約は、取引方式によって扱いが異なります。株式譲渡では契約主体は通常変わりませんが、支配権変更条項や事前承諾条項がある場合があります。事業譲渡では契約上の地位を移すため、相手方の承諾が必要になる場合があります。
漁協、産地、市場、金融機関、行政、家主等への説明も、誰がいつ何を伝えるかを決めます。早過ぎる開示は情報漏えいにつながる一方、説明が遅過ぎれば信頼を損なう可能性があります。
秘密厳守
秘密情報と個人情報は、必要性に応じて段階的に扱います
M&Aでは、仕入先、顧客、従業員等の秘密情報・個人情報を扱います。個人情報保護委員会のガイドラインでは、合併、分社化、事業譲渡等による事業承継に伴う個人データの提供について、一定の場合は提供先が第三者に該当しないと整理されています。契約締結前の交渉段階で、承継の調査のために提供する場合についても取扱いが示されています。
しかし、M&Aの検討中であれば何でも開示してよいという意味ではありません。利用目的と取扱方法、アクセスできる者、漏えい時の措置、交渉が不成立になった場合の返還・消去・廃棄、安全管理措置等を契約で定める必要があります。初期段階では個人名を伏せ、集計情報やマスキング資料を使うなど、目的に応じて開示範囲を限定します。
マイナンバー等の特定個人情報は通常の個人情報より取扱いが厳格です。データルーム等を使用する場合も、閲覧権限、ダウンロード、印刷、保存期間、終了後の削除を設計します。情報漏えいの可能性を完全にゼロと保証することはできないため、必要な相手に必要な時点で必要な範囲だけ開示することを基本とします。
買い手による検討
買い手候補も確認します
M&Aでは譲渡企業だけが調査されるわけではありません。買い手候補についても、資金調達の見通し、取得後の事業計画、水産業への理解、過去の買収・取引、法令順守、反社会的勢力との関係、従業員や取引先への方針を可能な範囲で確認します。提示価格が高いという理由だけで候補先を決めず、支払能力と承継後の運営可能性を見ます。
特に経営者保証が残る案件では、「買い手が後で外すと言っている」だけで判断せず、保証先金融機関との調整状況と最終契約上の義務を確認します。株式譲渡が完了しても、保証解除や担保変更が当然に完了するわけではありません。解除に必要な手続、期限、決済との前後関係、不履行時の対応を弁護士や金融機関と確認します。
中小企業庁も、不適切な買い手による経営者保証未解除等のトラブルに注意を促しています。候補先の説明や契約案に違和感がある場合は手続を急がず、弁護士、金融機関等へ相談することも検討します。
手数料と契約
料金は金額だけでなく、業務範囲と発生条件をご確認ください
譲渡企業様が当センターにお支払いいただく着手金・中間金・成功報酬は0円です。売却を決める前のご相談や企業価値の確認から始められます。ただし、登記・税務・法務・許認可対応などで依頼する外部専門家の費用、資料取得費、実費等は別途発生する場合があります。買い手側の料金や個別の支援条件も同一とは限りません。
M&A支援の料金には、一般に相談料、着手金、月額報酬、中間金、成功報酬、最低手数料、実費等があります。支援事業者によって名称、発生時期、計算基礎、料率が異なります。「レーマン方式」と表示されていても、譲渡価格、企業価値、移動総資産等のどれを基準にするかによって金額が変わるため、具体例を用いた説明を受けることが大切です。
料金について
- 着手金、月額報酬、中間金の有無
- 成功報酬の計算式と計算対象
- 最低手数料、消費税、外部専門家費用
- 出張、資料取得、調査等の実費
- 成約しなかった場合に残る費用
契約について
- 仲介か、譲渡企業側FAか
- 相手方からも報酬を受けるか
- 契約期間、自動更新、解除条件
- 専任条項、直接交渉制限
- 契約終了後のテール条項
当センターへ正式に依頼する場合の料金、支援範囲、仲介・FAの別、相手方から受ける報酬の有無、外部専門家費用、解除条件等は、契約締結前に書面で説明を受け、見積りと契約書をご確認ください。相談フォームの送信だけでM&A支援契約が成立するものではありません。
当センターの取り組み
大切にする四つの姿勢
M&Aを前提にしない
親族内承継、従業員承継、経営改善、金融機関との調整、計画的な廃業が適する場合もあります。相談者が守りたいものを起点に選択肢を比較します。
できないことも説明する
漁業権、許認可、価格、買い手探索、補助金等について結果を保証できません。確認できた事実、未確認事項、見通しを分けて整理します。
情報を段階的に管理する
会社名、漁場、仕入先、顧客、従業員等の情報は、候補先と検討段階に応じて開示します。必要性のない個人情報や機密情報の共有を避けます。
行政・専門家への確認を重視する
許認可、漁業権、法務、税務、労務、登記等は個別性があります。確認事項を整理し、必要に応じて、相談者ご本人による所管行政庁・関係漁協・金融機関への照会や、有資格専門家への相談をご案内します。
FAQ
よくあるご質問
まだ売却すると決めていません。相談できますか?
はい。売却を決める前に、親族内承継、従業員承継、資本提携、事業譲渡等を比較することが大切です。相談しただけで売却手続が始まるわけではありません。正式な支援範囲、料金、情報開示方法は契約前に確認します。
相談したことが漁協や取引先に知られませんか?
情報管理を行っても、漏えいリスクを完全にゼロにするとは約束できません。初期段階では匿名情報を用い、候補先を限定し、秘密保持契約後に詳細を段階的に開示します。誰に、いつ、何を伝えるかを事前に決めます。
赤字や債務超過でも譲渡できますか?
可能性はありますが、必ず譲渡できるわけではありません。顧客基盤、人材、許認可、設備、技術、立地等に価値がある場合があります。一方、借入、保証、資金繰り、設備更新負担を踏まえ、スポンサー支援、一部譲渡、廃業等を比較すべき場合もあります。
漁業権も会社と一緒に売れますか?
一律には答えられません。漁業権は一般資産と同様に自由に売買できるものではなく、免許主体、種類、漁協の組合員資格、行使規則、都道府県の運用等を確認する必要があります。想定する取引方式をもとに、行政、漁協、専門家へ早期に確認します。
漁業許可は買い手に引き継げますか?
許可の種類、名義、船舶、取引方式によります。相続、合併、会社分割等について承継手続が設けられている場合がありますが、事業譲渡で同じ扱いになるとは限りません。大臣許可か知事許可かも含め、個別確認が必要です。
従業員にはいつ伝えればよいですか?
案件ごとに異なります。早期開示は情報漏えいにつながることがありますが、必要な承諾や説明を後回しにすれば不信を招く可能性があります。特に事業譲渡で労働契約を移す場合は本人の真意による承諾が必要です。労務専門家と計画します。
取引先との契約はそのまま引き継がれますか?
株式譲渡では契約主体は通常変わりませんが、支配権変更、事前承諾、解除に関する条項がある場合があります。事業譲渡では契約上の地位移転に相手方の承諾が必要になる場合があります。主要取引先ごとに契約書と取引実態を確認します。
食品営業許可は取り直しになりますか?
食品衛生法上、一定の場合には、事業譲渡による許可営業者・届出営業者の地位承継が認められています。対象範囲や必要書類、施設変更時の取扱いは、所在地を管轄する保健所等へ事前に確認してください。株式譲渡でも商号、代表者、食品衛生責任者等の変更届が必要になる場合があります。
HACCPの記録が十分でないと売却できませんか?
直ちに売却不能とは限りませんが、食品安全上の重要な確認事項です。衛生管理計画、手順書、実施記録、教育、見直し状況を整理し、不足があれば改善方法を検討します。問題を隠したまま進めると、調査や契約後のトラブルにつながります。
会社の値段だけ先に知ることはできますか?
初期的な概算は可能ですが、その金額で売却できることを保証するものではありません。決算書に加え、借入、設備、許認可、在庫、人材、取引、必要投資を確認しなければ妥当な見通しを立てにくい場合があります。金額の計算根拠と前提をご確認ください。
会社名を出さずに買い手を探せますか?
初期段階では、地域、業種、規模等を限定した匿名概要を用いる方法があります。具体的な検討では会社を特定できる情報が必要になります。秘密保持契約後、候補先と検討段階に応じて開示します。
買い手はどのような会社ですか?
同業者だけでなく、加工、卸売、商社、物流、外食、地域企業等が候補になることがあります。候補数を増やすこと自体を目的とせず、資金力、事業計画、水産業への理解、雇用方針、許認可対応力、過去の取引等を確認します。
経営者保証は売却すれば自動的に外れますか?
自動的には外れません。保証解除や変更には金融機関等との協議が必要です。最終契約の条項だけでなく、決済前後の手続、期限、解除確認、不履行時の対応を確認します。保証が残る状態で役員退任や株式譲渡を進めるリスクに注意が必要です。
補助金は利用できますか?
事業承継・M&Aに関する補助制度が公募されることがありますが、対象者、対象経費、申請時期、事前着手の可否等は年度や公募回で変わります。M&Aをすれば必ず受給できるものではありません。申請時点の公式公募要領をご確認ください。
相談から成約までどのくらいかかりますか?
準備状況、候補先、許認可、株主調整、調査等により異なります。短期間で成約する場合もありますが、数か月から1年以上を要することもあります。成約時期を保証することはできません。引退希望時期から逆算して準備します。
個人事業でも相談できますか?
相談できます。個人事業では株式譲渡を使えないため、事業用資産、契約、許認可、従業員、屋号等を個別に引き継ぐ形が中心です。事業用不動産と自宅が一体の場合や、家族名義の資産がある場合は早めに整理します。
売却後も一定期間、仕事を続けられますか?
買い手との合意により、引継ぎ、顧問、役員、従業員等として関与する場合があります。期間、業務、報酬、権限、競業避止、事故時の責任を契約で明確にします。経営権を譲渡した後は、従来と同じように意思決定できるとは限りません。
途中で売却をやめられますか?
最終契約前であれば検討を中止できることが多いものの、仲介・FA契約、基本合意、独占交渉義務等により制約や費用が生じる場合があります。契約期間、解除、違約金、テール条項を締結前に確認してください。
まずはご相談から
まずは、現状を整理するところから
後継者、従業員、取引先、漁業権・許認可、借入や保証。今分かる範囲で構いません。売却を決めていない段階から、選択肢と確認事項を一緒に整理します。
フォーム送信のみで支援契約が成立するものではありません。対応範囲、秘密保持、料金、個人情報の取扱いは正式な契約前にご確認ください。
免責事項・AI生成画像について
本ページは水産業のM&A・事業承継に関する一般的な情報を提供するものであり、特定案件への法務、税務、会計、労務、許認可その他の専門的助言ではありません。漁業権、漁業許可、漁協の組合員資格、食品営業許可、倉庫業・運送事業等の手続は、事業内容、地域、取引方式により異なります。実行前に所管行政庁、関係団体、有資格専門家へご確認ください。買い手の発見、譲渡価格、成約時期、許認可の承継、従業員の継続雇用、経営者保証の解除、補助金の採択等を保証するものではありません。
本ページに掲載する一部のイメージ画像には、生成AIを利用して作成または加工した画像が含まれる場合があります。これらは水産業の現場や相談場面をイメージとして表現するものであり、特定の会社、漁業者、従業員、設備、漁場、取引事例または成約実績を撮影・再現したものではありません。制度、許認可、サービス内容、実績等の根拠として使用するものでもありません。
